更年期障害の症状と治療とケア~更年期をもっと素敵に

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バセドウ病:更年期に多い病気

バセドウ病とは、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることによって全身にさまざまな症状があらわれる甲状腺機能亢進症です。
バセドウ病は、自己免疫病を背景に産生されるTSH受容体抗体の刺激により生じる甲状腺機能亢進症のことをいいます。
バセドウ病は、イギリス医師のロバート・ジェームス・グレーブスとドイツ医師のカール・アドルフ・フォン・バセドウにより研究され、病名はこれらの医師にちなんで名づけられました。
日本ではドイツ医師のカール・フォン・バセドウの名前にちなんでバセドウ病と呼ばれますが、ドイツ語圏外ではイギリス人医師のロバート・ジェームス・グレーブスの名前にちなんでグレーブス病と呼ばれていま す。

バセドウ病の発症年齢

バセドウ病の男女比は、1対4で女性に多い病気です。
バセドウ病を年齢別にみてみると、20歳代と30歳代で全体の50%近くを占めていますが、次いで40歳代と50歳代で約35%、60歳以上が約10%を占めています。

甲状腺ホルモンとは

甲状腺は、喉仏(甲状軟骨)の下の気管の外側にある内分泌器官で、蝶が羽を広げたような形で縦4㎝、厚さ1cm、重さ15gくらいの小さな臓器です。
甲状腺は、ヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを合成しています。
甲状腺ホルモンには、ヨウ素の元素を4つ持っているサイロキシン(T4)とヨウ素の元素を3つ持っているトリヨードサイロニン(T3)があります。
甲状腺ホルモンは、全身の新陳代謝を活性化し調節する、交感神経の活性化と調節、子どもの成長や発達などに関わっているホルモンです。
甲状腺ホルモンは、下垂体前葉からの甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって制御されていています。
血液中のT4とT3ホルモンの産生が多すぎると制御機能が働いて甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌が減少し、血液中のT4、T3の量が低いとTSHが分泌されます。
逆に、血液中のT4、T3の量が上昇すると甲状腺刺激ホルモンに作用して負のフィードバックを起こし、TSHが分泌が抑えられます。
このシステムで甲状腺ホルモンの量は一定に保たれています。

バセドウ病の原因

甲状腺ホルモンにはチロキシン(T4)とトリヨードチロニン(T3)があり、この血液中のT4とT3ホルモンの産生が多すぎると制御機能が働いて甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌が減少し、血液中のT4、T3の量が低いとTSHが分泌されます。
このTSHはTSH受容体を介して作用します。
バセドウ病の原因は、このTSH受容体を標的とする自己抗体(TSHレセプター抗体:TRAb)が産生されて、この自己抗体(TSHレセプター抗体:TRAb)がTSHに代わって甲状腺を刺激しつづけるという自己免疫疾患です。
すなわち、血液中のT4、T3が上昇し、その結果としてTSHは低下しているが、甲状腺を刺激するTRAbの作用を抑制する機能がないため、ホルモン環境の恒常性(ホメオスターシス)が崩れてしまうこととなります。
しかし、なぜ抗体が自分を攻撃するのかは解明されていません。

バセドウ病の症状とは

バセドウ病の症状は、甲状腺腫、眼球突出、頻脈がバセドウ病の三主候といわれています。
しかし、甲状腺ホルモンが全身の代謝に関わっているホルモンであるため全身にわたってさまざまな症状がみられます。
手のふるえ、動悸、疲れやすい、体重減少、発汗が増える、暑がり、食欲亢進、大食、下痢、軟便、便の回数が多い、情緒不安定、皮膚の色素沈着、腱反射の亢進、筋力低下、無月経などさまざまな症状がみられます。

バセドウ病の診断

バセドウ病は、問診によりバセドウ病にみられる症状の有無の確認され、視診により眼球突出や手指のふるえなどバセドウ病の特徴的身体的特徴の有無が観察されます。
次に血液検査として、コレステロール、クレアチニン、アルカリホスファターゼなどの生化学的検査、TSH、遊離T、TSH受容体、抗甲状腺ミクロゾーム抗体のホルモン検査により確定診断がおこなわれます。
バセドウ病の診断は以下のガイドラインに沿っておこなわれます。

日本甲状腺学会・甲状腺疾患診断ガイドライン2013 (2013年6月24日 改定)

バセドウ病の診断ガイドラインは、
a)臨床所見
1.頻脈、体重減少、手指振戦、発汗増加等の甲状腺中毒症所見
2.びまん性甲状腺腫大
3.眼球突出または特有の眼症状
b)検査所見
1.遊離T4、遊離T3のいずれか一方または両方高値
2.TSH低値(0.1μU/ml以下)
3.抗TSH受容体抗体(TRAb, TBII)陽性、または刺激抗体(TSAb)陽性
4.放射性ヨード(またはテクネシウム)甲状腺摂取率高値、シンチグラフィでびまん性
1)バセドウ病
a)の1つ以上に加えて、b)の4つを有するもの
2)確からしいバセドウ病
a)の1つ以上に加えて、b)の1、2、3を有するもの
3)バセドウ病の疑い
a)の1つ以上に加えて、b)の1と2を有し、遊離T4、遊離T3高値が3ヶ月以上続くもの
【付記】
1.コレステロール低値、アルカリフォスターゼ高値を示すことが多い。
2.遊離T4正常で遊離T3のみが高値の場合が稀にある。
3.眼症状がありTRAbまたはTSAb陽性であるが、遊離T4およびTSHが正常の例はeuthyroid Graves' diseaseまたはeuthyroid ophthalmopathyといわれる。
4.高齢者の場合、臨床症状が乏しく、甲状腺腫が明らかでないことが多いので注意をする。
5.小児では学力低下、身長促進、落ち着きの無さ等を認める。
6.遊離T3(pg/ml)/遊離T4(ng/dl) 比は無痛性甲状腺炎の除外に参考となる。
7.甲状腺血流測定・尿中ヨウ素の測定が無痛性甲状腺炎との鑑別に有用である
*赤字は2013年6月24日 改定

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